内部で私を迎えてくれたのは賊達の死体・・・。
どうやらやはり、彼女たちは先に来ているみたい。
私も急いで奥へ進もうとしますが・・・
いきなりスフィアマスターとの戦闘に!
スフィアは死闘の末に何とか倒す事ができました。
カーリアさんたちが先に来ているとはいえ、全ての敵が排除されているわけではなさそう・・・。
さすがに人間の姿のまま進むのは危険だと判断した私は、やむを得ず変身して先へと進むことにします。
しかし、カーリアさんたちと接触するときだけは本当に気をつけなければなりません。
どう見たってこの姿は人間とは程遠いのですから・・・。説得できるか・・・自信はありません・・・。
ランクが上がったということもあり、破壊魔法の威力は強力の一言。
ドゥーマーたちの英知の結晶が次々と鉄くずに変えられていきます。
ある程度奥へと進むと今度はこんな仕掛けが。
柱が炎を吹き出しながら回転しています。
でも私はサキュバスなのよ?
こんな仕掛けは飛んでおしまい。
ばさばさと柱を飛んで渡り歩き、敵を始末して先へと進みます。
ふふ、やっぱりこの体って便利♪
そんな事を考えながら進んでいたそのときでした。
ばったりと。
彼女たちに出くわしてしまいます。
本当に、本当に、私って馬鹿ね・・・。
いきなり現れた異形の姿をする生き物に彼女たちは武器を抜きます。
「カーリア!!ブリニョルフ!!違うの、私なの!!」
私は彼らが動く前にそう夢中で叫び、何とか彼らを抑える事ができました。
これは一体どういうこと?
腰に肘を当て、そうカーリアさんが私に説明を求めます。
私は包み隠さず全てを打ち明けることにしました。
北の海岸にあった奇妙なテントのこと。
そこで自慰をしてしまい、朝に目が覚めたらこの姿になってしまっていたこと。
その時あったマーラのアミュレットがなくなっていたこと。
ドーンスターの宿屋でその付近で盗賊ギルドが目撃されたと言う話を聞いたこと。
そして、その話を聞いて盗賊ギルドに入るためにブリニョルフさんに手を貸したこと。
しかし今ここにいるのは決してアミュレットのためではない、ギルド、そして自分の私怨のためであること。
全てを、話しました。
さすがに彼らも私の話の内容に困惑してはいましたが、
ギルドに貢献をしたことは事実だし、こうして打ち明けてくれたのだから
ナイチンゲール同士、ギルドのために協力しよう、ということで落ち着きました。
私はほっと胸をなでおろします。彼らに手を掛けるようなことは絶対したくなかったから・・・
そうと決まれば話は早いです。早速メルセルを追って3人で進んでいくことになりました。
ただ、その前に、私は気になっていたファルメルの目についての疑問をブリニョルフさんに投げかけます。
彼は、話しておくか、と言って説明を始めます。
早い話がギルドに入った新入りが盗んできた像にガルスさんが興味を持って調べたところ
人の頭ほどもある宝石――ファルメルの目がこのイルクンサンドに眠っている事が判明した。
しかし、この遺跡のガードは固く、計画がお蔵入りになっていたところを
不快のピックを盗み、力を手に入れたメルセルが拾い上げた、と言うことでした。
人の頭ほどもある宝石なんて想像もつきません!ぜひ手に入れなくては・・・
宝石の話を聞いて浮かれている私をカーリアさんが窘めます。
あのメルセルが計画書をうっかり残していくわけがない、彼はいろいろと仕掛けを残し
最後にはここで、私達と決着をつけるつもりなのだと彼女はいいます。
私達はもう一度気を引き締めて、先へと進むことにしました。
そんな私達を先に進んだメルセルが迎えます。
先に奥まで進んでいた彼は私達を挑発するように
わざわざ殺さなくてもいいファルメル達をスニークで始末して先へと進んでいきます。
しかし私達はまだ入り口付近・・・。
仕掛けを動かしてどんどんと進んでいく必要があるのですが、
私はここで彼女たちに一回目のお願いをしなければなりません。
それは吸精したいので待っていてほしいというお願い・・・。
新しく手に入れた強力な魔法は強いだけに消費するエネルギーも多く、
しっかりと補給しながら進んでいかなければならないのです。
呆然と立つ彼らを背に、私は催眠にかけたファルメルに犯されて嬌声を上げます。
こんな淫らに鳴き、腰を振る私を、彼女たちは一体どう思って見ているのやら・・・。
とはいえ、これでかなり補給を行う事ができました。気を取り直して先へと進みます。
しかし、ある程度進んだところで、突然塔が倒れて道をふさぐと言うハプニングが発生しました。
そのせいで、私達は回り道をしなければならなくなってしまったのですが、カーリアさんは
これも、不壊のピックの力だといいます。壊れないロックピックというだけでなく、
持つ者がもつ未知の才能を引き出し、運までも味方にする・・・本当に強力なアーティファクトです。
回り道をしながらも先へと進んでいくと今度はこんな光景が・・・。
すでにここを通ったメルセルによって宝箱は空にされ、壁には侮辱の文字。
そして宝箱には盗賊ギルドの
シャドウマークまでついている始末。
ちなみにこのマークの意味は、「空」。
馬鹿にして!!!!!!
進んでいくにつれて、だんだんとファルメルたちの住処らしき区画へとやってきました。
彼らは食用のスキーバーを飼うのね。
そしてさらにハプニングが・・・!
なんと、カーリアさんが犯されてしまったのです・・・。
私とブリニョルフさんが他の敵に気をとられていたほんの一瞬の隙に・・・
どうやら脱がされたときに服を破損してしまったらしく、彼女は泣く泣くこの姿のまま
遺跡を探検することになってしまいました。
ちなみにここはドゥーマー達がおそらくファルメル達を?を虐待するための場所のようで
毒や拷問器具はもちろんのこと、熱した鉄を押し付けるものや、壁に貼り付けてプロペラで切り刻むなど、
本当にすき放題やっていたみたい・・・。
私達人間の中にも、非道な事をする人たちは、確かに存在するけど、
あぁいう人たちは普通、まともな生活を送ってはいません。
しかしここはドゥーマーの遺跡、昔にはちゃんとした都市だったはずじゃない!!
そういう場所にこういうものがあるということは、
ドゥーマー自体がそういう事を好む種族だった可能性が高いわけで・・・
私達はなんだかいたたまれない気持ちでその場を後にしました。
道はまだまだ続くようで、まだ先は長そう・・・。
ということで、私は二人に2回目のお願いをすることにしました・・・。
私はこうして再び、二人を前にして淫らな醜態を晒すのでした・・・。
そしてようやく私達は最後の扉の前までやってきました。
計画書によると、この先に、ファルメルの目が眠っているそうです。
しかし同時に、間違いなくメルセルもその場所にいるでしょう。
私達は気を引き締めて扉を開きます。
そのときはまさに、メルセルがファルメルの目を掘り出す瞬間でした。
彼は私達に気がつくと、何かの呪文を天井に向かって放ち、浸水を引き起こします。
彼にはもう、怒り以外の感情はわきません。
私は表情を変えずに淡々と彼とのやり取りを済ませます。
彼は姑息にもブリニョルフさんに術をかけ、カーリアさんを襲わせるように仕向けました。
それを見た私は、もう問答無用。無言で彼を消し炭に変えます。
彼の死体からファルメルの目と、不壊のピックをとって私はようやく長い息をつきました。
これでようやく、彼との決着がついたのです。
彼が死んだことでブリニョルフさんに掛けられた術も解けたようでした。
しかしのんびりもしていられません。
浸水によって水かさはどんどん増すばかりか、私達が来た扉も、何かが引っかかってしまって
使い物にならなくなってしまっていました。
さすがの私達もこれにはまったく打つ手立てなし。
水かさはどんどん増して、もう1メートルほどしか空気がありません。
水に飲み込まれ、もうだめだと思ったその時でした。
天井の一部が崩れ、道が現れたではありませんか。
その穴が開いたおかげで私達は何とか九死に一生を得ます。
私が思うに、これはもう不壊のピックの恩恵を授かっているのではないかしら。
カーリアさんたちとともに勝利を喜び合いました。
あとは、この不壊のピックを元の場所――黄昏の墓所へと持ち帰るだけです。
しかし、不壊のピックが持ち去られたことで、墓所内部の道が閉ざされ、危険な道を使うしかないとか。
ギルドの面倒を見る必要もあるため、カーリアさん、ブリニョルフさんとはここで別れて
ひとりで向かうことになってしまいました。
また、カーリアさんからはナイチンゲールのロングボウをもらいました。
生涯をともにしてきたような弓をくれるほど、私は感謝されているのだな、とそう思い
素直に受け取ります。
二人と別れる前に、私はブリニョルフさんに頼み事をします。
「例のアミュレットだな。」
そう彼に言われ、私は無言でうなずきました。
「分かった、落ち着いたらギルドでまた会おう。それまでには情報は上げておくよ。」
私は彼に礼を言って洞窟を後にします。
こうしてイルクンサンドでの戦いは終わりをつげ、
私はようやくアミュレットの本格的な捜索を始める事ができるようになったのでした。
旅の記録2【134日目】決戦!イルクンサンド!
完